災害ごみの仮置き場となっている益城中央小跡地で、被災家屋から運び出した家財道具などを処分するボランティアら=14日、熊本県益城町福原、江崎憲一撮影
熊本地震から3カ月を迎えた熊本県で、災害ボランティアが減っている。ピーク時には1日あたり4千人弱が来たが、7月に入ってからは多い日でも約800人。大雨で復旧が遅れている地域もある。受け入れ人数は場所によるが「人手はまだまだ必要」という地域もある。
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熊本県社会福祉協議会のまとめでは、5月4日の3951人がピークだった。6月中旬までは週末を中心に1千人を超える日も多かったが、大雨が続いた6月下旬から減少傾向に。7月は14日現在で804人が最多だ。
斜面崩壊などの地震被害で16人が亡くなり、597棟が全壊した南阿蘇村は、6月下旬からの大雨で土砂崩れも起きた。村の災害ボランティアセンターによると、雨で作業が中止になった日も多く、倒壊家屋の片付けが残っており、さらに崩れた土砂の除去も必要になった。10~20人足りない日が多い。がれきの片付けなどのほか、仮設住宅に入居する人の引っ越しの手伝いも増えてきたという。
熊本市では、6月下旬までは200~300人台を中心に推移していたが、その後は100人を下回る日がほとんどだ。
市中心部に設けられていた災害ボランティアセンターが、7月1日から郊外の市動植物園(休園中)の駐車場に移転した。最寄りの市電の電停まで迎えの車を出すが、副センター長の宮原栄志さん(52)は「アクセスが悪くなったことが影響してはいる。人手不足で1人に2、3カ所を回っていただく日も多い」と話す。
各センターの悩みは、日ごとに違う必要人数と参加人数の調整だ。せっかく来てくれた人に帰ってもらうこともあるという。
フェイスブックやツイッターなどで前日に必要な人数を公表するなど工夫するが、過不足解消は難しい。西原村では8月から、個人ボランティアの事前登録制を導入できないか検討する。
ボランティア作業でのけがや熱中症への対策も課題だ。熊本市では、化粧品メーカーなどから無償提供を受けた日焼け止めや携帯用保冷剤などを配布。南阿蘇村でも冷たい飲み物を準備する。宮原さんは、ボランティア保険への事前加入や、けがを避けるための服装、水分補給の準備などは自己責任としつつ「せっかく熊本にボランティアに来ていただいた方が嫌な思いで帰らないよう、サポートに務めたい」と話す。
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