披露された解体車。手前の部屋で解体された肉が奥の保冷室へ運ばれる=新潟市の北村製作所
NPO法人「日本ジビエ振興協議会」(埼玉県)などが、捕獲したイノシシやシカなどの野生動物を現場近くで解体できる車を作り、19日、新潟市で公開した。素早い解体、冷蔵により夏でも野生動物の肉「ジビエ」の流通を広げられる可能性がある。8月から各地で実証実験を始める予定だ。
解体車はトヨタ自動車の2トントラックをベースに、特殊車両などを手がける北村製作所(新潟市)などが協力して、約1500万円かけて作製。荷台には解体室と衛生管理のための中間室、5度に保つ保冷室を備える。動物をつるして洗え、汚水も外に出さずに回収できる。シカやイノシシを最大5頭処理できる。
シカやイノシシは狩猟や有害鳥獣としての駆除で、それぞれ年間約50万頭捕獲されている。野生動物の肉を流通させるには、捕獲後に都道府県の許可を受けた施設で解体する必要があり、厚生労働省は指針で、すみやかな施設への搬入を求めている。だが、夏場は駆除数が多いものの、捕獲後1~2時間で肉の質が悪くなるため、鮮度を保つのが難しく、大半が廃棄されている。
この解体車なら車内で内臓を取…