ソフトバンク最大の海外買収
ソフトバンクグループが、世界的な半導体設計会社の英アーム・ホールディングスを約240億ポンド(約3兆3千億円)で買収する。日本企業が海外企業を買う額としては過去最大だ。新分野を手に入れたいソフトバンク、開発資金を得たいアーム、海外投資を呼び込みたい英国政府の思惑が一致した。
ソフトバンク、英社を3.3兆円で買収へ IoTで勝負
「いまは『IoT(モノのインターネット)』という大きな変化の入り口。アームは爆発的に伸びる」。ソフトバンクの孫正義社長は18日、ロンドンでの記者会見で説明した。IoTは、家電などあらゆる機器に通信機能を持たせ、データをやりとりする。省電力で小さい半導体を設計できるアームの技術を生かしやすい。9月末までにアームの全株を買い取り、非上場化する。
アームは自ら半導体を製造せず、独自技術を盛り込んだ設計図を米アップルや韓国サムスン電子といった端末メーカーや、米クアルコムなどの半導体メーカーに売っている。スマートフォンでは、頭脳にあたるCPU(中央演算処理装置)や通信用半導体の90%超に採用されているという。
スマホは世界的に普及が進み、販売は頭打ちだ。アームの将来性を不安視する見方はあるが、今回の買収額は1株あたりにすると15日の株価の終値より43%高く、過去3カ月平均より69・3%高い。
「5~10年後には安い買い物…