物質の種類や性質を調べるために分子の重さ(分子量)を測る「質量分析」に使える新しい原理を発見した、と物質・材料研究機構(茨城県つくば市)が発表した。薄い板状の物に気体を吹き付けると、気体分子が重いほど大きくたわむ。名刺1枚で実演できるシンプルな現象を利用する。携帯可能な小型の質量分析器の開発につながり、健康管理など身近な応用が期待できるという。
英科学誌サイエンティフィック・リポーツに論文が掲載された。
これまでの質量分析は、真空中で気体分子をイオン化して電気を帯びさせ、外から電気や磁気の力を加えたときの飛び方の違いで分子の重さを測定していた。真空装置が不可欠で、持ち運びできるほどの小型化は難しかった。
物材機構の柴弘太研究員らは、…