全国の警察が今年上半期(1~6月)に認知した刑法犯は48万8900件(暫定値)で、通年で戦後最少だった前年の同期を4万9878件(9・3%)下回った。減少分の約8割を窃盗が占めた。警察庁が21日発表した。
窃盗の認知件数は35万5635件で、前年同期比3万9568件減。自転車盗やオートバイ盗、車などから金品を盗む車上狙いの減少が大きかった。警察庁は、各地で防犯ボランティアが増え、防犯カメラの整備が進んだことが一因とみている。
凶悪犯や窃盗犯などが減る一方、知能犯だけが増え、1061件多い2万1747件だった。代金を振り込んだのに商品が届かないといった詐欺や、他人の情報でクレジットカードをつくるなどの偽造の増加が目立った。
また、警察庁は今回初めて、容疑者特定の主なきっかけが防犯カメラやドライブレコーダーだった事例を集計した。全検挙件数の16万5779件から余罪などを除いた10万8492件のうち、5799件(5・3%)を占めた。特にひったくりやすり、強盗事件で割合が高かった。一方、職務質問がきっかけとなった事例は20%で、年々割合が下がっている。(伊藤和也)