将棋の佐藤天彦名人(右)は色紙に「招」、囲碁の井山裕太名人は「福」と書いた=朝日新聞東京本社、山本和生撮影
20代の若き2人が、囲碁と将棋それぞれの世界の頂点に立った。前人未到の囲碁七冠独占を4月に達成した井山裕太名人(27)と、5月、将棋界で16年ぶりに20代で名人になった佐藤天彦名人(28)。両名人が、初めての顔合わせとなる対談に臨んだ。
■「20代で頂点、期待感じる」 佐藤名人
佐藤 七冠達成おめでとうございます。
井山 名人獲得おめでとうございます。七冠への挑戦は、一昨年12月に六冠から四冠に後退したときには無理かとも思いました。ただ、いったん解放されて、気持ちがリセットできた。どうですか、もう「名人」と呼ばれたら振り返るぐらいですか?
佐藤 実感はなかなか。だんだんなっていく感じですけど、僕の場合、今回が初タイトル。いきなり名人という大きな意味を持つタイトルですので、実感が追いつかない。名人戦は歴史としてみても一番長く続いている棋戦ですし、現行の将棋界のシステムの一番上にある感じがします。
井山 私も初のビッグタイトルが名人です。囲碁と将棋で違う部分はあると思いますが、囲碁界にとっても特別なタイトル。20歳でしたし、あれだけ注目してもらったのも初めてで、急にそうなった感じだった。
佐藤 羽生(善治=前名人)さ…