国立がん研究センターなどの研究班は22日、がん患者を追跡した5年後の生存率(全国推計)を発表した。地域がん登録をしている都道府県のデータを集計するのは3回目。今回は2006~08年にがんと診断された21府県の約64万人を調査、全てのがんの5年生存率は62・1%で、過去2回より3~5ポイント高く、緩やかに向上している。
5年生存率は、がん患者で診断から5年後に生きている人の割合が、日本人全体の5年後に比べてどのぐらいかを示すもの。割合が高いほど治療で生命を救える効果があり、5年が治療や経過観察の目安の一つとされる。前回は03~05年に診断された7府県の約19万人で58・6%、初回は00~02年診断の6府県15・4万人で56・9%だった。
今回の集計を部位別にみると、前立腺が97・5%で最も高く、甲状腺、皮膚、乳房、子宮体部が続いた。膵臓(すいぞう)、胆囊(たんのう)・胆管、肺、肝臓が低かった。一方、悪性リンパ腫、白血病、口腔(こうくう)・咽頭(いんとう)、肝臓などで初回からの改善幅が大きかった。
性別で見ると、女性は66・0…