死亡した女性が乗っていたハンドル型電動車いす。左側の農道から転落したとみられる=11日、新潟県上越市、横田彰さん撮影
消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調、畑村洋太郎委員長)は22日、高齢者らが外出時に使うハンドル型電動車いすの事故についての調査報告書を公表し、メーカーや関係省庁に車いすの構造の改善や高齢者への注意喚起などの対策を求めた。
事故調は、ハンドル型電動車いすの現在の使用台数を全国で約8万6千台と推計。重大事故は2014年までの3年間に全国で15件起き、乗っていた60~90代の高齢者11人が死亡、4人が重傷を負った。道路外への転倒・転落や、踏切で立ち往生する事故が多かったという。
報告書では、前輪が車体に隠れて運転者から見えにくいため、道路を外れる危険に気づきにくいといった構造の改善や、踏切内の単独走行時の注意書きを車いす本体に表示することなどを経済産業省やメーカーに求めた。また、運転技能訓練への参加を高齢者に促すことを厚生労働省などに、車いすが立ち往生しにくくする対策を踏切に施すよう国土交通省に求めている。