ドイツ南部ミュンヘンで23日、銃乱射事件があったマクドナルド前の犯行現場に立つ警察官=AP
ドイツ南部バイエルン州の州都ミュンヘンの大型ショッピングセンターで22日夕、男が銃を乱射し、9人が死亡、16人が重軽傷を負った。警察によると、容疑者はミュンヘン在住のイランとドイツの二重国籍の男(18)で、現場近くで自殺した。警察は単独犯とみており、過激派組織「イスラム国」(IS)との関係を示す証拠はないとの見方を示した。
独乱射、マクドナルドで銃撃開始か 単独犯、自殺の見方
フランスやベルギーなど欧州各国でテロが相次ぐ中、比較的安全と考えられてきたドイツでも事件が起きたことで、治安悪化への懸念が高まっている。メルケル首相は23日に会見し、「政府は全ての国民の安全と自由を守るため全力を尽くす」と話した。
人口約140万人のミュンヘンはドイツ第3の都市。銃撃は22日午後6時(日本時間23日午前1時)前ごろ、同市北部のオリンピア・ショッピングセンター近くにあるマクドナルドで発生。現場に居合わせた人が撮影したとされる動画には、拳銃を持った黒い服の男が、店の前の路上で子供を抱えて逃げ惑う買い物客らに銃弾を何発も浴びせる様子が映っていた。その後、男はショッピングセンターに移動し、銃撃を続けたとみられる。警察は、容疑者が他人のフェイスブックのアカウントを乗っ取って、不特定多数の人にこのマクドナルドを訪れるよう事前に呼びかけていたと明らかにした。
事件の犠牲者は、死者9人のうち8人が14~20歳の若者。負傷者のうち3人が重体という。日本外務省によると、日本人が巻き込まれたとの情報はない。
独メディアによると、警察は23日、ミュンヘン市内にある容疑者の自宅など関係先を家宅捜索した。警察は23日の会見などで、動機については判明していないとしたが、ISとの関わりを示す証拠はないと明言。一方で、容疑者の部屋から「銃乱射事件」に関する本が見つかったという。
警察は、2011年にノルウェ…