球場入りする高松商の選手たち=25日午前、高松市のレクザムスタジアム
今春の選抜大会で準優勝した高松商(高松市)が25日午後、尽誠学園(香川県善通寺市)との香川大会決勝に臨んだが、1―5で敗れた。昨秋の明治神宮大会で優勝し、今春の選抜大会では準優勝と「古豪復活」を全国に印象づけた。だが、主力選手のけがなど、夏までの歩みは決して順風満帆ではなかった。
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高松商は1996年に決勝で尽誠学園を破って以来、夏の甲子園から遠ざかっている。2007年にも決勝で相まみえたが、尽誠学園が制していた。
高松商の主将・米麦(よねばく)圭造君(3年)は、個性の強い部員を常に全力プレーで引っ張ってきた。しかし5月ごろ、腰を疲労骨折。約1カ月間、試合や練習から離れた。「チームに迷惑をかけているという意識もあったし、レギュラーから外れるのでは、という不安もあった」と振り返る。
選抜ですべての試合に先発したエース浦大輝君(3年)も大会後、腰を痛めている。「多少の痛みはあるが、行けと言われたら行きます」と意気込みを見せるが、今大会準決勝までの登板は1イニングのみだ。
今春、選抜で準優勝し、全国から注目を集めたが、練習試合では負けることも繰り返しあった。「プレッシャーも感じるが、それがチームを強くしてくれる」と米麦君は信じてきた。チームの状態があまり良くない時、長尾健司監督(46)は「全て忘れて一から出発しよう」と鼓舞し続けた。
そんな状態で迎えた夏だったが、選手たちは奮起した。エースに代わり、背番号9の大熊達也君(3年)が全試合に先発し、好投してきた。打線も支えてきた。けがからの復帰が間に合った米麦君は準決勝まで12打数10安打。準々決勝では、植田響介君(3年)が3本塁打を放った。準決勝までの4試合で計7本塁打が飛び出し、すべてコールドで決勝に勝ち上がってきていた。決勝前、植田君は「春は優勝を目前で逃した。忘れ物を取りに行く」と意気込んでいたが、甲子園まであと一歩、届かなかった。(森下裕介)