藻を培養中のプール=熊本県天草市、大矢雅弘撮影
石油の代替品になるバイオ燃料を藻類からつくる事業を軌道に乗せようと、さまざまな企業が研究を加速させている。27日には自動車部品大手のデンソーが、熊本県天草市に大がかりな培養施設を開所。カギとなる製造コストの引き下げに知恵を絞る。
屋外に設けられた三つの細長いプールに、緑色の藻が浮かぶ。デンソーが天草市の中学校跡地につくった施設。バイオ燃料の原料となる藻の一種「シュードコリシスチス」を大量に培養している。計算上は8時間で2倍に増える成長の速さが特徴だ。
バイオ燃料ではすでに、トウモロコシなどからつくる方式が実用化されているが、食糧や飼料の不足を招く懸念がある。デンソーは藻からつくる方式を2008年から研究してきた。
これまでは愛知県内で藻の培養試験をしてきたが、燃料の製造コストは1リットル当たり600~1千円程度と高い。「燃料として普及させるにはコスト削減が必要」(福田裕章・バイオ材料研究室長)で、20年までに100円台に引き下げる目標を掲げる。
新施設では、自動車部品づくり…