■SMBCフレンド証券 岩下真理氏
日銀が追加金融緩和を決定 ETFを買い増しへ
今回の追加緩和は、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)買い入れの増額だけで、「バズーカ」と呼ばれた、2%達成のためにむやみやたらに緩和する、というこれまでの姿勢とは異なるのが特徴だ。
政府の経済政策との協調を期待されつつも、冷静さを失っていない日銀の判断は好感を持てる。いままでの黒田東彦総裁の方法論とは違う緩和策で、黒田日銀による新たな金融緩和の一歩になる。
マイナス金利政策の金利幅を拡大させなかったのは、常識的にみていまの効果を見極めたいということ。(量的緩和の)量を増やさなかったのは、「すでに限界に近い」との声を踏まえたのではないか。
■JPモルガン証券 菅野雅明氏
日銀は2%の物価目標を「2017年度中」で据え置いたが、足もとの物価上昇は力強さを欠いており、株価指数に連動する上場投資信託(ETF)の買い入れを増やすだけでは達成は難しい。日銀の本気度が分からない。
なぜマイナス金利政策の金利幅拡大や、国債買い入れの増額をしなかったのか。ETFの拡大だけではまるでお茶を濁したかのように感じる。黒田東彦総裁は、これまで量・質・金利の「三つの次元」を強調していたが、(緩和の)悪影響を認めたのだろうか。