寺有地の売却で得た金の使途などに絡み、高野山真言宗の八事山興正寺を運営する宗教法人興正寺(名古屋市昭和区)が、名古屋国税局から2015年3月期までの3年間で約6億6千万円の申告漏れを指摘されたことがわかった。追徴課税は過少申告加算税を含め約8600万円とされる。すでに修正申告をし、納税したという。
興正寺は、前住職が総本山金剛峯寺(和歌山県高野町)から14年1月に罷免(ひめん)されたが、その後も運営を続けている。法人側は、申告漏れの責任が前住職にあるとして、背任の可能性も視野に告訴を検討している。
関係者によると、興正寺は東京のコンサルタント会社に業務委託費を支払った。しかし、業務内容が不明瞭で、収益事業の経費に認められなかった。また、前住職が設立した英国の会社への貸付金に対する利息を非課税扱いの非収益事業としたが、収益事業に計上すべきだと指摘されるなどしたという。
前住職は12年、寺有地約6万6千平方メートルを中京大学(名古屋市昭和区)に売却。得た代金約138億円の使途などについて国税局が今年1月から税務調査を進めていた。大半は、さまざまな業務委託費として使われたとみている模様だ。
前住職の代理人の弁護士は取材に対し、「指摘内容が全くわからないので答えられない」と話している。
寺有地の売却をめぐっては、前…