公取委が摘発したカルテル・談合事件の端緒
不正を自ら申告した企業が課徴金を減免される制度(リーニエンシー)の導入から10年間で、公正取引委員会が摘発した事件の少なくとも約75%が、企業側の「自首」が端緒になっていたことが朝日新聞のまとめでわかった。導入当初は「同業者の不正の密告にもつながるため、日本の文化になじまない」などと有効性が懸念されていたが、多くの企業が利用し、公取委も活用している実態が明らかになった。
減免制度は2006年に導入された。課徴金の対象になるカルテルや談合などの独占禁止法違反事件について、公取委の立ち入り検査前に最初に違反を自主申告(自首)した企業に限って課徴金が免除される。その後に申告した企業は5~3割が減額され、早い順に最大計5社が免除・減額の対象になる。
減免制度の利用について、公取委は企業が希望した場合に限って公表してきた。それによると、導入から16年3月までの約10年間で摘発した制度対象事件は136件で、このうち立ち入り検査前に違反の申告があり、課徴金の免除があったのは76件だった。
こうした「公表された自首」の…