猫ひろし(手前左)を応援するため、カンボジアで同じレースに参加した土橋達也さん(同右)=6月12日、プノンペン、佐々木学撮影
リオデジャネイロ五輪の男子マラソンに、カンボジア代表として出場するお笑い芸人・猫ひろし(38)=本名・滝崎邦明=がレースでいつもはいているのは「猫魂」マーク入りのソックス。東京の衣料品卸業者が逆境にめげず走り続ける猫に共感し、開発した。不況が続く商売の起死回生への願いも込めた。
リオオリンピック
「はき心地は最高ニャー」。リオ五輪の調整をかねて出場した6月のプノンペン・ハーフマラソン。優勝した猫は右足を上げ、赤いネコのマークに金色で「魂」と刺繡(ししゅう)されたオリジナルのソックスを誇らしげに掲げた。
開発したのは東京都中野区の衣料品卸「土橋商店」の土橋達也社長(43)。衣料品業界はユニクロなど大手メーカーが直営で売るスタイルが隆盛で、伝統的な仲介卸は不況にあえぐ。1979年創業の土橋商店も苦境が続いていた。
3年ほど前、新たなビジネスとしてランニングブームに着目。格安の専用ソックスの開発を思いついた。頭に浮かんだのは、同じ「中年」で、身長は147センチと小さいのに、国籍変更へのバッシングをものともせず走り続ける猫だった。
本人のブログを通じて「オリジ…