国際オリンピック委員会(IOC)総会は2日、ブラジル・リオデジャネイロで本格的な議論が始まり、国家ぐるみのドーピング隠しが発覚したロシアを全面的には除外せず、条件付きで出場を認めたIOC理事会の決定を承認した。ロシア五輪委員会のジューコフ会長は、当初発表していた387人から100人以上減らしたものの「250人以上の選手が参加できる」との見通しを示している。
リオオリンピック
90人のIOC委員のうち、85人の委員が出席した総会の冒頭で、IOCのバッハ会長は国ぐるみの責任を個別の選手に負わせることの難しさを改めて説明し、理事会の決定やロシアの全選手に国外のドーピング検査を求める五輪サミットの決定への支持を求めた。20人以上の委員が意見表明したが、挙手による採決では、賛成多数でロシアの条件付き出場が支持された。反対は1で、棄権はなかった。
ロシア選手については、各国際競技団体がそれぞれのルールに基づき、選手の出場資格を精査し、その後、IOC医事委員長を含むIOC理事3人が1人ずつ最終確認したうえで、リオ五輪の出場可否を個別に判断する。IOCは、最終的な判断は開会式直前までかかるとしている。
また、バッハ会長は世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームが継続して実施している調査が終わり次第、IOCとして報告書を吟味し、さらに制裁が必要かどうかを判断する方針を明らかにした。バッハ会長は「選手も参加して議論し、この問題のために臨時総会を開くことも辞さない」と反ドーピングへの取り組みを強調した。(リオデジャネイロ=河野正樹)