2016年11月17日、トランプ次期米大統領(当時)から大統領補佐官への就任を打診された際のマイケル・フリン氏=AP
辞任したフリン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)が大統領選でトランプ氏の顧問に就任する前に、ロシア政府系メディアやロシア系企業から講演料名目で数万ドルを受け取っていたことが分かった。米下院の監督・政府改革委員会が入手した記録を、16日に公表した。
記録によると、フリン氏は2015年12月にロシア政府系メディア「RT」のモスクワでのイベントに出席し、講演料として3万3750ドル(約380万円)を受領。さらに同年、ロシアの航空貨物会社とサイバーセキュリティー会社からもそれぞれ1万1250ドル(約130万円)を受け取っていたという。
フリン氏は14年まで米国防情報局長を務め、16年にトランプ陣営の外交アドバイザーに正式に就任していた。
同委員会のカニンガム委員は、RTからの報酬の受け取りは、退役した軍幹部らが外国政府から報酬を受けることを禁じた法律の規定に違反するとしている。
ロシアをめぐっては、米大統領選にサイバー攻撃や虚偽報道で介入したとして、オバマ前政権が報復制裁を実施。米情報機関はRTが、報道で選挙に介入したと名指しした。フリン氏は大統領補佐官に就任前にこの制裁の解除について駐米ロシア大使と協議していたことが発覚、2月に辞任に追い込まれていた。(ワシントン=杉山正)