男子グレコローマン59キロ級で銀メダルの太田忍(左)=樫山晃生撮影
(14日、レスリング・グレコローマン59キロ級決勝)
レスリング太田が銀 決勝で敗れる グレコ59キロ級
リオオリンピック
登山で言えば一気に8合目まで駆け上がった22歳の若者が、頂点目前でその険しさを思い知らされた。決勝の2分過ぎ。165センチの太田忍の体は、世界王者ボレロモリナ(キューバ)の怪力で引っこ抜かれた。
マットに衝突し、地面でも体を回される。太田得意の空中姿勢からの反攻は、手も足も絡められず不発に終わった。「もう1回、あの状態になればかからない」と悔やんでも後の祭り。「あの6点は厳しい」と本音が漏れた。
下克上の五輪だった。初戦でロンドン五輪王者に逆転勝ち。これでむらっ気のある太田が乗った。2回戦で、世界選手権3位に完勝。準決勝は世界2位相手にフォール勝ちした。奇想天外な動きから「ニンジャレスラー」と呼ばれる太田の決勝進出は、世界のレスリング関係者を驚かせた。
「空中で自分の傾斜角度が分か…