7月6日、「高考専用列車」内でガッツポーズをして意気込みを示す受験生。
7月6日午前9時30分、内蒙古(内モンゴル)自治区呼倫貝爾(フルンボイル)市鄂倫春(オロチョン)自治旗の大楊樹駅で、500人以上の受験生たちが体温測定と「健康コード」の確認を行った後、K5117号「高考専用列車」に乗り込み、100キロ以上離れた阿里河鎮で行われる中国大学統一入学試験(通称「高考」)に向けて出発した。この「高考専用列車」は、中国鉄路哈爾浜(ハルビン)局集団有限公司が18年連続で運行している。新華社が伝えた。
7月6日、大楊樹駅の「高考専用列車」の外で、乗車する受験生を待つ鉄道スタッフ。
大楊樹鎮はオロチョン族や達斡爾(ダフール)族、鄂温克(エヴェンキ)族など少数民族が多く住む地域だ。高考の試験会場は旗政府の所在地に設けられるため、大楊樹鎮の受験生は毎年100キロ以上離れた阿里河鎮まで行って受験しなくてはならない。「高考専用列車」の運行前は交通が不便だったため、受験生と保護者は何度も車や列車を乗り換えて試験会場まで行かなければならなかった。
7月6日、「高考専用列車」内からピースサインを送る受験生。
2003年、元のハルビン鉄路局はこうした受験生の不便さや高い交通費などの問題を解決するため、毎年高考の前に大楊樹鎮発阿里河鎮行きの「高考専用列車」を運行することを決定。今年は「高考専用列車」の運行が始まってから18年目になり、すでに累計で延べ約3万4000人の受験生の往復交通を担い、7000人以上が大学進学の夢をかなえてきた。
地方経済が発展していくにつれて、大楊樹鎮から阿里河鎮への交通はよりスムーズになったが、多くの教員・生徒や保護者にとって、「専用列車」に乗って高考に向かうことはすでに思い入れのある光景になっている。6日、一部の受験生は自家用車で試験会場に向かわずに、同級生たちと一緒に「高考専用列車」に乗り込んだ。大楊樹鎮第二中学(中高一貫校)教員の李佰芳さんも自身が高考を受ける時に「高考専用列車」に乗った。大学卒業後、李さんは故郷に戻って教師になった。6日には、高考を受ける自分の生徒たちを引率するため、李さんもこの列車に乗り込んだ。
「高考専用列車」の記念乗車券(7月6日撮影)。
今年、鉄道当局は受験生たちのために感染対策グッズの入ったセットを提供した。このセットにはマスクや消毒用ウェットティッシュのほか、記念切符などの記念品も入っていた。さらに生徒・教員や保護者に記念カードを無償で配り、受験生や保護者に高考前の気持ちを綴ってもらった。列車にはさらにプロのカメラマンも同乗し、受験生らが列車で「卒業写真」を撮ってもらうこともできた。受験生の往復乗車券はすべて大楊樹鎮の協賛企業5社が購入し、受験生たちは無料で「高考専用列車」に乗車して試験に向かった。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年7月7日