力投する日南学園の森山=伊藤進之介撮影
(15日、高校野球 日南学園6―4市和歌山)
動画もニュースも「バーチャル高校野球」
二回に訪れたピンチ。ベンチにいた日南学園・森山がブルペンに走り、急ピッチで肩を作った。マウンドへ。3点を先行され、なお2死一、三塁だ。
やや球が浮き、ボールが二つ先行。だが「制球が良い森山からは、相手は四球を期待しにくいはず」と捕手の萩原。3球目、外角いっぱいの直球に手を出させ、一ゴロに仕留めた。
大黒柱の登場で、流れは変わる。直後の三回に味方打線が反撃を始め、六回、ついに勝ち越した。
身長160センチで、直球は大半が130キロに満たない。だが「球速があっても打たれることはある。勝てる投手が良い投手」と森山。直球、スライダーは低く、コーナーに決める。制球力に絶対の自信があるから、ピンチで動じない。
七回2死から適時二塁打を浴びて今大会の初失点を許したが、表情は変わらない。次打者を低めの変化球で打ち取った。九回まで投げ、これで2試合計15回3分の1で1失点だ。
チームは8強入りした83回大会(2001年)以来となる1大会2勝目。「本当に自信がある」と、エースは言い切った。(鈴木健輔)
◇
○萩原(日) 九回に貴重な追加点となる適時三塁打など、4安打。「公式戦で4安打は初めて。最後の夏なので、積極的になれている」