東京電力福島第一原発事故後の作業で被曝(ひばく)した後に白血病になった元作業員の50代男性について、厚生労働省は19日、労災を認定したと発表した。原発事故後の作業従事者で、被曝による「がん」で労災が認められたのは、昨年10月の事例に続いて2人目となる。
発表によると、男性は東電の協力会社に勤め、2011年4月~15年1月に原発内でがれき撤去や汚染水の処理に使う機械の修理に従事。15年1月に白血病と診断され、福島労働基準監督署に労災を申請していた。累積の被曝線量は54・4ミリシーベルトだった。
厚労省は、放射線業務の従事者が白血病になった場合、発症までの時間などを考慮し、年5ミリシーベルト以上被曝して業務の開始から1年超が経っていれば労災と認める基準を設けている。男性の申請を受け、専門家による検討会の意見を聞いたうえで労災を認定した。男性には医療費が補償される。