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日本人通訳、国後島から戻れず 北方四島ビザなし交流

北方四島とのビザなし交流で国後島を訪れていた日本側訪問団の男性通訳1人が、ロシア当局による手荷物検査後に事情聴取を受けることになり、戻れなくなっていることが21日わかった。外務省は同日、在日ロシア大使館に男性を早期に解放するよう抗議した。ロシア側メディアは「現金400万円を持ち出そうとした日本人の男性が拘束された」と報じたが、この男性通訳かどうかは報じていない。


実施主体の北方領土問題対策協会(東京)によると、訪問団(64人)は19日に根室港からチャーター船で国後島へ向かい、ロシア人島民と交流するなどして22日に戻る予定だったが、天候が悪化したため、21日早朝に根室港に戻った。協会は「外務省と協議した結果、台風11号によるしけを避けるためには、事情聴取の終了を待たずに出発せざるを得ないと判断した」としている。北海道の北方領土対策本部によると、1992年にビザなし交流事業が始まって以降、訪問団員が戻れなくなった例はこれまでなかったという。外務省ロシア課は朝日新聞の取材に「北方領土は日本固有の領土であり、ロシアの管轄権行使は受け入れられない。人道的な観点からも男性の早期解放を求めていく」と話している。


ロシア・ユジノサハリンスクのインターネットメディア「サハリンインフォ」によると、ロシアの税関職員が20日に日本人男性の所持品を調べた際、タブレット端末の空き箱から現金400万円を見つけたという。現金は四つの紙袋に分かれて入っており、職員が没収したという。男性は事情聴取を受けているが、現金についての説明を拒んでいるという。同メディアは、男性が日ロの漁業関係者の間で現金の「運び役」を担っていた可能性があると報じており、「拘束については政治的な背景はない」としている。


国後島にあるロシアの税関当局…


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