JR九州がコスト削減のため、10月から筑豊線で運行する新しい蓄電池電車=北九州市の若松駅、角田要撮影
JR九州の株式上場が15日、決まった。1987年の設立以来、不動産や小売りなど多角化を進め、念願を果たした。今後は収益力向上をさらに進めつつ、本業の鉄道では路線網・サービスの維持や安全確保をどう両立するかが問われる。
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JR東海が97年に上場して以降、「『次は我々だ』という思いを歴代の経営陣が持ち続けてきた」(JR九州幹部)。上場で事業計画や社長人事に国の認可は不要になり、経営の自由度が高まると期待する。
JR九州は不採算路線が多く、売上高のうち鉄道運輸収入は約4割。多様な観光列車の運行など工夫もこらしたが、鉄道事業の赤字は国から得た経営安定基金の運用益で埋めてきた。JR東日本、東海、西日本の3社が東海道・山陽新幹線や山手線などドル箱路線を持ち、売上高の6~7割を鉄道運輸収入が占めるのとは対照的だ。
そこでJR九州が力を入れたの…