ウィッツ青山学園高校に捜索に入る東京地検特捜部の係官ら=16日午前9時1分、三重県伊賀市、小川尭洋撮影
株式会社立ウィッツ青山学園高校(三重県伊賀市)をめぐる就学支援金詐欺事件で、逮捕された運営会社「ウィッツ」(同)元監査役の馬場正彦容疑者(56)が、就学実態のない生徒を「かかし」と呼んでいたことが関係者への取材で分かった。こうした生徒は数十人にのぼっていたといい、東京地検特捜部が実態解明を進めている。特捜部は16日、容疑を裏付けるため同社や同校の家宅捜索に入った。
特捜部によると、馬場容疑者は同校の広域通信制課程の入学窓口となるサポート校「四谷LETSキャンパス」(東京都千代田区)の実質経営者。同キャンパス関係者によると、馬場容疑者は入学したものの授業料を払っていない生徒や、単位認定に必要な年2回の本校でのスクーリングを怠ったり、テストやリポートを出さなかったりした生徒を、「かかし」と名付けていたという。
テストやリポートは事務員が代わりに書き、スクーリングも行ったように装っていたという。「自分から動こうとしないという意味で『かかし』と呼んでいた。そうした生徒は数十人いた」と関係者は話した。
特捜部の発表によると、馬場容疑者は2015年1月、受給資格がない高校卒業者や在学していない生徒ら計13人分の就学支援金を申請し、計約244万円を同校に支給させてだましとった疑いがもたれている。馬場容疑者は逮捕前の取材に対し、「違法性の認識はなかった」と話していた。