キイロスズメバチ
今月11日、岐阜県飛驒市のマラソン大会で、参加者ら115人がキイロスズメバチとみられるハチに刺された。実りの秋はハチが活性化する時期でもある。刺されないためにどうすればよいのか、刺されたらどう対処するべきか――。行楽シーズンを前にまとめた。
マラソン中に115人が蜂に刺される 岐阜、橋の下に巣
飛驒市神岡町の山之村地区であった「第18回山の村だいこんマラソン」で、キイロスズメバチとみられるハチが参加者ら115人を次々と刺した。幸い重傷者はいなかったが、8人が市民病院で手当てを受けた。
ハチの巣はコース途中の打保(うつぼ)橋の下にあった。普段はめったに人が通らない橋を大勢が走ったことで、巣に振動が伝わり、興奮したハチが人を刺したとみられている。2日後、市は直径45センチほどの巣を撤去した。
実は、関市もハチに悩まされている。市板取事務所によると、昨夏、観光名所「モネの池」(同市板取白谷)から約100メートル離れた下白谷橋の下で、キイロスズメバチのものとみられる巣が見つかった。今年に入り、同じ橋に別の巣ができたため、昨夏からの通行止めを今も続けている。
ハチに詳しい岐阜大学応用生物科学部の土田浩治教授(昆虫生態学)によると、キイロスズメバチやオオスズメバチなどは秋になると活性化する。春に女王バチが1匹で巣を作り始め、9~10月ごろには働きバチの数が急増。このため、小さな巣が急に大きくなるといい、土田教授は「事前に気づくのは難しい」と指摘する。
キイロスズメバチは自然が豊かな里山だけでなく、市街地の家の軒先など雨をしのげるような場所でも巣を作る。ここ30年ほどで生息域の「都市化」が進んでいる種で、缶ジュースの飲み残しなどがエサになっているという説もある。
一方、より大型のオオスズメバ…