横浜市都筑区のマンションが傾いた問題で、全705戸のマンションの管理組合は19日、住民集会で全4棟の建て替えを決議した。来春にも解体作業が始まり、2020年秋ごろに新棟が完成する計画だ。
横浜の傾きマンション、建て替えへ 住民決議で賛成多数
敷地内の保育施設を含めた議決権総数711件のうち建て替えに賛成が709件。区分所有者ベースでも、全635人中633人が賛成。それぞれ規定の5分の4を上回った。横浜市緑区の会場で投票結果が発表されると、集まった住民から大きな拍手が起きた。
組合によると、建て替えや慰謝料など事業主側の負担は約400億円に上るという。販売した三井不動産レジデンシャルは「一日でも早く安心して暮らしていただけるよう、誠心誠意対応する」とコメントした。
マンションは06年に売り出され、14年11月に住民が傾きを確認した。翌年秋、傾いた棟の杭6本が強固な地盤に届いていないことや、3棟の杭計70本で、施工記録やセメント量のデータ改ざんがあったことが明らかになった。
横浜市は今年8月、震度5強程度の地震があれば、傾いた棟の柱などにひびが生じる可能性があるとして、三井不動産レジデンシャルと、施工した三井住友建設に建築基準法に基づく是正勧告を出している。(大森浩司、古田寛也)