日本銀行が大規模な金融緩和の枠組みを見直すことを決めた21日の金融政策決定会合。
日銀、金融政策の枠組み見直し 長期金利をより重視
「総括的な検証」は、①物価上昇率が目標の「2%」に達していない理由②1月に導入を決めたマイナス金利政策の効果と影響、の2点を柱に行った。
物価上昇が目標に達していない理由については、まず大規模緩和の効果を強調。円安・株高で企業収益が改善して賃上げにつながり、「生鮮食品やエネルギーを除く」物価上昇はプラス圏が続き、日本経済は「デフレではなくなった」と明記した。
ただ、最近の物価上昇率は、「生鮮食品やエネルギーを除く」指数はプラス0・3%、「生鮮食品を除く」指数ではマイナス0・5%で、日銀が目標とする「2%」には及ばない。日銀は、緩和が当初は物価を押し上げる効果はあったが、消費増税後の景気低迷や、原油価格下落、新興国経済の先行きの不透明感が影響したため、物価が上がりにくくなったと分析した。
今後の政策の方向性については、物価目標の達成まで時間がかかる可能性があることを踏まえ、「将来への期待を強める手段を導入する必要がある」「より持続性があり、状況に応じて柔軟に対応できるスキームとする必要がある」と結論づけた。
マイナス金利政策については、導入後に金利が低下し、企業の資金調達などにプラスの効果があったと評価。国債買い入れと組み合わせることで金利を押し下げる効果が大きいため、有効な手段だとした。ただ、経済効果が相対的に大きい短期間の金利に比べ、長期間の金利は金融機関収益などに悪影響が出るため、今後は「留意する必要がある」とした。