大学生の就職活動について、昨年は8月だった企業の選考解禁が今年は6月に早まった影響を内閣府が調査したところ、4年生の53・6%が「就職活動期間が比較的短期間で済んだ」と評価したことがわかった。一方で、企業研究や就職先選びの時間が「確保できなかった」と感じる学生も50・1%に上り、悩みもうかがえる。
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インターネットを通じて全国の大学4年生に8月1日時点の状況を聞き、約9200人が答えた(複数回答)結果を21日、発表した。選考解禁が早まった点について「夏の暑い時期に就活を行わなくて済んだ」という学生も50・3%いた。ただ、実際には6月より早く面接などをする企業も多く、44・9%が「混乱が生じた」と答えた。留学、教育実習を「取りやめた」という学生はそれぞれ3・0%、2・5%だった。
就活の日程は昨年、採用面接など選考解禁が従来の4月から8月になったが、就活期間が長期化して負担を感じる学生が多く、経団連は今年(2017年卒)から6月に早め、来年(18年卒)も6月とする方針を決めている。
文部科学省も同日、全国の大学と短大に対して行った学生の就活についてのアンケート結果を公表。回答した1005校の4割で、内々定後に他社への就活をやめるよう強要される「オワハラ」について学生から相談があった。頻繁に懇親会への出席を求められたり、長時間の研修で他社の選考が受けられなくなったりしたという。(水沢健一)