東京都の築地市場(中央区)が移転する予定の豊洲市場(江東区)の施設の下に盛り土がない問題で、安全性を検証する都の専門家会議の平田健正座長(放送大学和歌山学習センター所長)は24日、施設下の地下空間にたまった水は地下水の浸透によるものとの判断を示した。都の調査では、地下空間のたまり水、大気に含まれる有害物質などは環境基準を満たしたが、さらなる安全対策として換気なども検討するという。
特集:築地市場の豊洲移転問題
平田氏は地下空間を視察後に記者会見し、たまり水が周囲の地下水とほぼ同じ成分だと説明。「雨水がたまったもの」という都の見解を否定した。
一方、都の検査結果も公表。15~16日に採取した地下空間の大気から有害物質のベンゼンが検出されたが、「浸入した地下水中のベンゼンが気化したものと思われるが、濃度は十分に低い」と述べ、安全性に問題ないレベルと評価した。
また、地下空間を土で埋める案について、平田氏は「ありえない。やるなら建物を壊さないといけないので、現状のままどうするかを考える」と話した。