ロンドン警視庁のトップに就くクレシダ・ディック氏。22日撮影=ロイター
「スコットランドヤード」の通称で知られるロンドン警視庁のトップに22日、外務省で局長を務めるクレシダ・ディック氏(56)が内定した。1829年に創設された同庁187年の歴史で、警視総監に女性が就任するのは初めて。
ロンドン警視庁はロンドン首都圏(中心部シティーを除く)を管轄するほか、王室などの要人警護やテロ対策など、国家公安警察としての役割も持つ。今回、カーン・ロンドン市長らの選考委員会が最終候補者4人と面談し、ラッド内相が決定した。任期は5年。
ディック次期警視総監はオックスフォード大ベリオールカレッジ卒。1983年に入庁して以来、テロ対策関連の担当が長く、2012年のエリザベス女王即位60周年、ロンドン五輪で警備責任者を務めた。内定を受けて「感激するとともに身が引き締まる思いだ。重大な責任だが、すばらしい機会でもある」などと抱負を語った。
副総監を経て15年から、外務省で局長ポストについている。同省での職務内容や権限については、情報公開法の除外規定に当たるとして公表されていない。安全保障や対テロ関係の機密部門などにかかわっているとみられる。(ロンドン=石合力)