主要7カ国(G7)交通相会合の合間に、トヨタ自動車の燃料電池車「ミライ」に乗る欧州連合(EU)の会合出席者=24日午前、長野県軽井沢町
自動運転の普及をテーマに、長野県軽井沢町で開かれている主要7カ国(G7)交通相会合は24日、技術の研究・開発で協力するとした共同宣言をまとめた。人の手を借りない「完全自動運転」を加速したい米国と、慎重な日欧との差は大きく、世界共通の走行ルールづくりに向けた指針の作成は見送った。
昨年の会合では、共通ルールを視野に「国際標準化の推進」を共同宣言に盛り込んでいた。今回の会合は、これをどこまで具体化できるかが焦点だった。
共同宣言では、ルールの共通化には踏み込まず、「製造業者への指導が必要であることに合意」との表現にとどめた。一方で「いかなる将来の規制枠組みも、イノベーションを促進するものでなければならない」と明記した。関係者によると、グーグルなどIT企業を重視する米国が主張し、盛り込まれたという。
技術面では「人間と機械との役割分担」などの研究を共同で進めるため、作業部会をつくることを決めた。記者会見した石井啓一国土交通相は「(ルールが)国際的に調和したものになるよう共通した理解が得られた」と成果を強調した。会合は25日まで。来年はイタリアで開く予定だ。(奥田貫)