愛知・名古屋開催が決まって喜ぶ(左から)大村秀章愛知県知事、河村たかし名古屋市長ら=ベトナム・ダナン、浦島千佳撮影
「アジア版オリンピック」とも呼ばれるアジア競技大会の2026年夏季大会の開催地が愛知県・名古屋市に決まった。アジア・オリンピック評議会(OCA)が25日、ベトナム・ダナンでの総会で決定した。日本での夏季大会は1958年の東京、94年の広島に続き、32年ぶり3度目の開催となる。
2026年夏季アジア大会、愛知県と名古屋市で開催決定
総会で愛知県の大村秀章知事は「愛知はこれまでも国際スポーツ大会を開催してきた。運営能力に自信がある」と演説。他の立候補都市はなく、愛知・名古屋での開催が拍手で承認された。決定後、大村氏は「躍進するアジアの活力を取り込む」、名古屋市の河村たかし市長は「どえりゃあ楽しいアジア大会にしたい」と記者団に語った。
アジア大会は、OCA加盟45カ国・地域が参加。原則4年に1度開かれる。県と市は選手・関係者1万5千人が集まり、36競技程度が行われると想定している。
県と市は今年5月に立候補を表明。だが、開催経費を巡り対立し、市は9月5日、撤退を表明した。その後、開催経費850億円、公費負担の上限を600億円、負担割合を県2市1とすることで合意し、20日、共同招致に復帰していた。大村氏は開催決定後、公費負担について「不確定要素が非常に多いが、精査してもっと縮減できる」と述べた。
大会について、県は「リニア開業前後のビッグプロジェクトにする」として、開催時期をリニア中央新幹線の東京―名古屋間が開業予定の27年に延期することを模索中だ。OCAのフォック副会長は25日、朝日新聞の取材に「申請は可能だし、OCA側は理解すると思う」と述べ、柔軟に対応する可能性を示唆した。ただ、JR東海は工期の確定が困難として、リニア開業とアジア大会を関連づけることに難色を示している。(浦島千佳=ダナン〈ベトナム中部〉、斉藤太郎)