野球賭博はいまも市民生活に身近な場所でひそかに行われ、暴力団の重要な資金源になっているという。
東京都内で8月、「第九八回高校野球」と題した紙が飲食店などに出回った。出場校を8枠に分けた「枠表」で、甲子園であった全国高校野球選手権大会の賭けに使われたという。
長く野球賭博を取り仕切ったという元暴力団幹部によると、枠表は、賭博を仕切る「胴元」の暴力団が作ったとされる。客は好きな枠に1口千円から賭ける。勝つと5割の配当を得られるとの触れ込み。元幹部は「野球賭博では膨大な金が動く。こんな大市場は手放せない」。賭け金や配当金のやり取りは、口座を使うと記録が残るため、必ず現金で行う、と話す。
「試合ごとの勝敗に賭けるハンディ方式にも客が群がる」。別の元暴力団幹部はそう話した。ハンディは胴元側が試合前日に携帯電話のメールで流し、注文もメールで受ける。プロ野球賭博もやり方はほぼ同じだという。
元幹部らによると、捜査逃れの…