男子100メートルで優勝した山県(左端)。右端はケンブリッジ=内田光撮影
(25日、陸上・全日本実業団対抗選手権 男子100メートル)
陸上のルールでは、生理学の観点から人間は0秒100未満では音に反応できないとされ、フライングで失格になる。男子100メートル決勝の山県は、号砲が鳴ってから0秒107でブロックを蹴った。リオ五輪で見せた世界一の鋭さで、最初の1歩から他を圧倒した。
山県が初V、ケンブリッジ破る 男子100・実業団対抗
「五輪でつかんだ感覚を忘れたくなかった」と振り返った。リオでは日本選手84年ぶりの決勝進出は果たせなかったが、10秒05の自己最高をマーク。準決勝を走った選手の中で号砲への反応時間は0秒109で最速だった。男子400メートルリレーでも、1走として日本の銀メダルに貢献した。「音は耳で聞くのでなく反射です。体から動いている感じ。いつか(0秒100を)超えちゃうんじゃないか」と自分でも驚くほど、好調だ。
序盤の動きは、もはや職人芸。…