刀匠の尾川光敏さんが作った日本刀(岐阜県関市提供)
「刃物のまち」で知られる岐阜県関市は29日、ふるさと納税の返礼品として、関の刀匠らが作る真剣の日本刀を贈ると発表した。寄付額500万円と300万円が対象で、各5振り限定。鎌倉時代から続く関鍛冶(かじ)の技を極めた刀匠らが1年かけて作る。市によると、日本刀の返礼品は全国初という。
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関市は、名刀工「関の孫六」などでも知られる日本刀の産地。市が4月、寄付額100万円の返礼品に短刀(刃渡り24センチ前後)を加えたところ、用意した20本のうち、これまでに14本の注文が入る人気となったため、今度は刃渡り72センチ前後の刀を加えることにした。
作るのは、市の重要無形文化財保持者に認定されている尾川光敏さん(63)ら関伝日本刀鍛錬技術保存会所属の刀匠10人。500万円の返礼品は60代以上の熟練刀匠が、300万円は30代の気鋭の若手刀匠がそれぞれ担う。刀匠は選べないが、普通に注文するよりも価格は安いという。
白鞘(さや)や手入れ道具付き。寄付者は刀匠と面談して、好みの刃文や銘文を切ってもらうことができる。尾川さんは「良い作品をお渡しできるように力を入れたい。これを機に日本刀への関心が広まればうれしい」。10月3日から受け付け、問い合わせは市民協働課(0575・23・6831)。(吉住琢二)