完成した太刀を見る加藤賀津雄さん(右)と正文実さん=岐阜県関市小瀬
72代横綱となった稀勢の里の土俵入りで太刀持ちが掲げる太刀を、岐阜県関市の刀匠、25代藤原兼房(本名・加藤賀津雄さん=60)と26代(本名・加藤正文実さん=38)の親子が作った。12日に始まる大相撲春場所で披露される。
どすこいタイムズ
藤原兼房は室町時代から続く刀匠で、賀津雄さんの先々代は横綱双葉山と大鵬の太刀を手がけたという。賀津雄さんは地元の子ども相撲の指導者だった。教え子が稀勢の里が所属する田子ノ浦部屋の前身の鳴戸部屋に入ったことが縁で、十数年前に部屋との親交が始まった。稀勢の里を関市の小瀬鵜飼(うか)いに案内したこともあるという。
賀津雄さんが稀勢の里の横綱昇進を確信し、頼まれる前から太刀作りの準備を始めたのは昨春。すると、夏の名古屋場所前、田子ノ浦親方から太刀作りを打診された。
親子1年がかりで鍛えた太刀は…