東京都江東区の富岡八幡宮周辺で、宮司の富岡長子(ながこ)さん(58)らが襲われて3人が死亡した事件で、富岡さんの弟で元宮司の富岡茂永(しげなが)容疑者(56)と妻の真里子容疑者(49)が、富岡さんが帰宅するまで現場近くで約1時間、待ち伏せしていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、帰宅時間を狙って殺害する計画を立てていた疑いがあるとみている。
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捜査関係者によると、防犯カメラの解析などから、茂永容疑者と真里子容疑者は7日午後7時すぎに現場付近に現れた。八幡宮敷地内にある富岡さんの自宅脇の建物の陰で、袋に入れた日本刀を持って待機。午後8時25分ごろに富岡さんが車で帰宅すると、飛び出した茂永容疑者が富岡さんを襲撃し、運転手の男性(33)を真里子容疑者が約100メートル追いかけて切りつけたという。富岡さんはこの日、地元警察との会合に出席していた。
捜査関係者などによると、茂永容疑者は1995~2001年に宮司を務めたが金銭トラブルなどで解任されていた。知人らによると、最近も富岡さんが宮司でいることに不満を持っていたという。警視庁は、茂永容疑者が一方的に富岡さんへの恨みを募らせた疑いがあるとみている。
警視庁は、数分の間に、茂永容疑者が富岡さんを襲って真里子容疑者も殺害し、自殺を図ったとみている。今後、茂永容疑者と真里子容疑者を殺人容疑で書類送検する方針。