パート主婦の年収が増えても、手取り額が減る場合がある
年収約106万円(月収8万8千円)以上などの条件を満たすパートたちが、10月1日から新たに厚生年金の加入対象になる。対象は25万人程度の見込み。老後の生活安定につながる一方、保険料負担を避けるため勤務時間を減らす人も出そうだ。人手不足に悩むスーパーなどでは影響を懸念する声も上がる。
厚生年金の対象拡大は、パートと正社員との格差を狭める狙いがある。老後には厚生年金が上乗せされ、国民健康保険よりも給付が手厚い正社員向けの健康保険にも加入できる。
ただ、悩ましい選択を迫られそうなのは、勤め人の夫がいるパートの主婦らだ。夫の扶養に入って社会保険料を払っていない主婦らは約10万人。こうした人が厚生年金や健康保険の加入者になれば、自ら保険料を払わなければならない。
東京都内の人材会社でパートで働く主婦(45)は10月から週21時間だった勤務時間を1時間半減らし、収入を抑えることにした。
「老後の安心を考えると厚生年金に入りたい。でも今は2人の子供に手がかかり、手取りを維持できるほど勤務時間を増やせない」
今回の加入対象となる条件のう…