天ぷらを揚げる昭和産業の内定者たち=3日午後、東京都千代田区、長島一浩撮影
全国各地の企業で3日、来春入社予定の学生を迎えて内定式が開かれた。正式な内定解禁日の1日が土曜日だったため、多くの企業が3日に開いた。研修と一体化するなど工夫をこらして、内定者をつなぎとめようとする動きが目立ってきたのが今年の特徴。学生に有利な「売り手市場」が続いていることが背景にある。
食品大手の昭和産業は午前中の式典に続き、東京都内の本社で自社製品の天ぷら粉を使って料理をする研修を実施した。内定者には事前に知らせない「サプライズ研修」だ。「さっさっと油切って。そうそう」。新妻一彦社長が声をかけると、内定者から笑みがこぼれた。「会社の仕事を垣間見てもらうとともに、社内のつながりを深め、入社の意思を固めてもらうのが狙い」と人事担当者は話す。
三井住友海上火災保険の内定式には、同社の社員でリオ五輪女子柔道銅メダリストの中村美里さんと近藤亜美さんがサプライズで登場し、「世界で活躍できるよう頑張って」と呼びかけた。内定者に誇りを高めてもらうことを狙った演出だ。慶応大4年の石岡夏季さん(22)は「私もメダリストのように上を目指して頑張りたい」と話した。
昨年は、内定を出した学生に就…