七回表、雄平から三振を奪い、降板する三浦=西畑志朗撮影
■スコアの余白
その時、横浜スタジアムは驚きと興奮に包まれた。
DeNA三浦、ラスト登板は10失点 始球式は息子が
スコアの余白2016
DeNAの三浦大輔が、25年の現役生活を終えた9月29日のヤクルト戦。六回表を投げ終え、涙を流してベンチに戻った三浦が、その裏の先頭打者で打席に立ったのだ。さらに七回表、再びグラブをはめた右腕が大歓声を背にマウンドへ向かった。マスクの奥で号泣する捕手の高城が耳打ちした。「全球直球でいきましょう」。先頭の雄平を134、136、137キロの3球三振に仕留め、ここで本当に降板となった。
三浦自身、六回表が最後だと思っていた。球数は100球を超え、すでに10失点。誰もが三浦の選手生活は完結したと思い、本人も男泣きした。しかし、涙でぼやけた視界の先で、ラミレス監督が人さし指を立てていた。「あと1人いこう」。続投を促した。
「三浦さんには、マウンドの上…