協定書を交わした京都女子大の林忠行学長(左)と京都刑務所の山本孝志所長=東山区
女子大と刑務所。異例の組み合わせの包括連携が結ばれた。学生たちは、刑務官から刑務所の実態などを教えてもらう。一方で、刑務所内の作業所で作られる木製おもちゃなどのデザインを提案。学生にとっても受刑者にとっても、実社会と接点を持つ貴重な機会になりそうだ。
5日に協定書を交わしたのは、京都女子大(京都市東山区)と京都刑務所(京都市山科区)。同刑務所によると、国内の刑務所が大学とこうした協定を結ぶのは聞いたことがないという。林忠行学長は「刑務所は社会の重要な部分を代表している側面もあり、学ぶことは少なくない」と狙いを語る。
きっかけは、京女大の竹安栄子(ひでこ)・地域連携研究センター長と同刑務所の山本孝志所長が3月にある会合で同席したこと。実社会について学ぶ機会を求める大学と、社会との結びつきを重視し始めた刑務所。狙いが一致し、協力に向けて議論が始まった。
5月には発達教育学部教育学科のガハプカ奈美教授が刑務所を訪れ、約100人の刑務官に「自己をコントロールするための呼吸法」と題した講習会を開催。受刑者同士のけんかや自殺の予防など強い緊張感の中で働く刑務官が、アクシデントに遭っても心や身体をコントロールする呼吸法を伝授した。山本所長は「刑務官が落ち着いたので、受刑者も落ち着くようになった」と効果を語る。
今月22、23日には、同学部…