米民主党は25日、米南部アトランタで、同党の全国委員長を選ぶ投票を実施し、トーマス・ペレス前労働長官(55)を選出した。委員長選は、サンダース上院議員らが推す左派のキース・エリソン下院議員(53)との異例の接戦となり、決選投票でペレス氏が勝利。来年の中間選挙に向け、党の立て直しを図る。
ペレス氏はオバマ政権で労働長官を務め、大統領選の同党候補だったクリントン氏とも近く、主流派が支持。一方、エリソン氏は党改革を訴え、この日の1回目の投票でいずれの候補も過半数に届かず決選投票となり、2回目の投票でペレス氏が勝利した。
米メディアによれば、民主党全国委員長選でこれほど接戦となるのは過去30年間なかったといい、大統領選の民主党指名獲得をめぐるクリントン氏とサンダース氏の対立をそのまま引きずる結果となった。
ただ、ペレス氏は勝利演説で、直ちにエリソン氏を副委員長に指名し、党の団結を訴えた。トランプ大統領を「米史上最悪の大統領」とも批判し、対決姿勢を強めて早期に政権を奪還すると強調した。
同党の全国委員長をめぐっては、選挙戦でクリントン氏に肩入れし、中立性を欠いたとの批判を受け、前委員長が引責辞任するなど、党内でも主流派と非主流派の確執が広がっていた。(ワシントン=佐藤武嗣)