「愛のピアノ」の存在を確認した(左から)岡村隆洋君、松井宣征君、石川大志君、大宮柊君=川越町の川越中学校
1959年9月の伊勢湾台風で被害に遭った学校へ米国の女優らの寄付で贈られた「愛のピアノ」が、川越町の川越中学校にも残っていることが確認された。教職員も知らず、学校の歴史から忘れられるところだったが、生徒が夏の自由研究で光をあてた。
調べたのは2年生の岡村隆洋(たかひろ)君(13)、石川大志(だいし)君(14)、大宮柊(しゅう)君(13)、松井宣征(よしゆき)君(14)。5月のある日、学習室のピアノに金色のプレートがあることに岡村君が気づいた。
今では、合唱コンクールの練習に使うくらいのピアノ。いつもはカバーもあって、プレートには気づかなかった。多くの傷があったが、「伊勢湾台風……シャーリー・マクレーン……」などの文字が読めた。
岡村君は「いわれのあるピアノでは」と思い、7月になって3人に自由研究にしようと提案した。図書館でも資料が見つからなかったが、桑名市長島町に住む市議、市野善隆さん(56)のブログに出会った。
市野さんの地元の伊曽島小学校にも「愛のピアノ」がある。市野さんはほかの地域でも残っているのかを調べていた。8月、市野さんに学校へ来てもらい、川越中のピアノも、台風被害の後、59年年末から翌年始にかけて東海3県の学校に贈られた47台のピアノの一つだと分かった。
市野さんにとっても、存在は驚…