署名活動をするJR宝塚線脱線事故遺族の上田弘志さん(左)=8日午前10時42分、兵庫県尼崎市、細川卓撮影
大事故で死者を出した企業に刑事罰を科す特別法の制定をめざし、JR宝塚線(福知山線)脱線事故の遺族らでつくる「組織罰を実現する会」が8日、兵庫県尼崎市のJR尼崎駅前で街頭署名活動をした。インターネットでの署名も始めており、一定数が集まった段階で法務大臣に提出する。
同会は、脱線事故のように広い部署に責任がまたがる組織事故で、大企業の幹部個人の刑事責任を問いにくい現状をただそうと、今年4月に発足。現在、個人にしか問えない刑法の業務上過失致死罪を法人にも適用できるようにして、有罪の場合、罰金を科す特別法の制定を求めている。
この日は、脱線事故のほか、中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故の遺族、弁護士らも街頭に立った。同会代表で、脱線事故で長女の早織さん(当時23)を亡くした大森重美さん(68)=神戸市北区=は「組織罰があれば事故の再発や未然防止につながる。署名を通じ、世論を盛り上げたい」と話した。(千種辰弥)