OFケーブルの構造
東京都内の約58万6千戸で起きた停電で、原因とみられる送電線火災が生じたものと同種の東京電力管内のケーブルのうち、7割が35年以上交換されていなかった。東電が13日、発表した。送電に使うケーブルの経年劣化が漏電、出火につながった可能性もあり、東電は同日から緊急点検を始めた。
火災があったのは「OFケーブル」という古いタイプ。内部で電気を通す「導体」に絶縁のため油に浸した紙(絶縁紙)が巻き付けられている。東電によると、埼玉県新座市の地下約6・2メートルに約35年前に設置してから一度も交換していなかったという。
東電によると、2012年末の管内のOFケーブルは東京都内を中心に総延長約1400キロ。このうち15年末時点で35年以上経過しているのは約千キロに上るという。このタイプは劣化などで絶縁紙に損傷があると漏電して火花が生じ、紙に引火するおそれがある。東電は13日の会見で、漏油や異常音などを年1回、目視で確認してきたと説明した。火災があった場所は今年6月に確認済みだったという。
世耕弘成経済産業相は同日、東…