「おもしゃい(面白い)」「食べり」「寝(ね)り」などの言い回しやテンポのよさで知られ、大阪南西部で広く使われている泉州弁の魅力に迫るシンポジウムが、11月に大阪府泉佐野市で開かれる。交通・通信の発達した現代に、現地でしか味わえない豊かな文化のコンテンツとして「方言」の魅力をとらえ直す試みだ。
シンポ「泉州弁で考える」は、大阪南西部の堺市など9市4町でつくる泉州観光プロモーション推進協議会が主催する。泉州弁は泉州地域に息づいている大阪弁の一つ。地域によって微妙に異なり、ざ行とだ行が混同したり、「からだ」を「かだら」と発語したりするなどの多様性を持つ。歴史小説「村上海賊の娘」でも泉州弁は生き生きとした響きで物語を彩り、岸和田が舞台だったNHKの連続テレビ小説「カーネーション」での登場人物の語りも記憶に新しい。
泉州弁に詳しい西尾純二・大阪府立大教授や「村上海賊の娘」を執筆した作家和田竜(りょう)さん、「カーネーション」の方言指導を担当した女優林英世(ひでよ)さん、竹山修身・堺市長らが登壇。聞き手を務める岸和田出身の編集者、江弘毅(こうひろき)さんは「小説やドラマを切り口に、泉州弁のかけがえのなさ、豊かさを探りたい」と話す。
11月12日午後2時から、泉佐野市のホテル日航関西空港で。無料。事前申し込みが必要(10月24日締め切り)。応募はホームページ(
http://senshuben.net/symposium/20161112/
)の申し込みフォームに氏名、住所、連絡先などを登録する。応募の問い合わせは事務局(06・4799・1340)。(田中章博)