東日本大震災の災害復旧工事に絡み、一度は終了した入札をやり直して別の業者に落札させたとして、宮城県警は19日、宮城県亘理町の企画財政課長、吉田充彦容疑者(55)=亘理町逢隈高屋=と、町内の工務店2社の社長を官製談合防止法違反(入札妨害)と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕し、発表した。
逮捕された工務店社長は八木昌征容疑者(65)と渡辺勝利容疑者(54)=いずれも同町長瀞(ながとろ)。県警は認否を明らかにしていない。
捜査2課によると、不正があったのは被災した雨水路を直す工事の入札で、2015年11月13日に町役場で行われた。一度は他の業者が落札したが、2社長が入札のやり直しを要求。吉田容疑者が受け入れ、同日中に入札をやり直して八木容疑者の工務店が代表だった共同企業体に落札させた疑いがある。
調べでは、落札価格は2億4千万円(税抜き)。2回目の入札で約500万円上乗せされたという。県警は入札をやり直した理由について、見返りの有無なども含めて調べている。
斎藤貞町長は19日夕の記者会見で、吉田容疑者が17日から欠勤しており、当時の状況が分からないとし、「入札をやり直したことも初めて知った」と述べた。