菅義偉官房長官は19日午前の衆院内閣委員会で、天皇陛下の生前退位を想定した公務負担軽減のための法案を来年の通常国会に提出し、成立をめざす考えを示した。政府は2018年をめどとする退位を想定し、特例法を軸に検討を進める構えだ。
一代限りの「生前退位」特措法、来年国会にも法案提出
特集:天皇陛下、お気持ち表明
民進党の岡田克也前代表が、生前退位をめぐる国会審議の時期について「次期通常国会という感覚は持っているか」と質問。菅氏は「何らかの形で立法府で方向性について議論していただき、その方向が決定すれば、できれば通常国会に法案を出したい」と述べた。
陛下が生前退位の意向をにじませたお気持ちを表明したことを受け、政府は「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」を設け、17日に初会合を開いた。会議は年明けにも論点整理を公表し、来春にも提言をとりまとめる予定。
菅氏は同委員会で、論点整理が公表された段階で国会に説明する考えを明らかにし、「年明けにも国会の皆さんに方向性を明らかにし、意見をうかがったうえで法案を提出する」とした。ただ「最初からスケジュールありきで臨むべきではない」とも述べ、有識者会議の議論を見守る姿勢を強調した。
岡田氏が女性・女系天皇や女性宮家も会議のテーマになるのかと質問したのに対し、菅氏は「陛下が82歳というご高齢であることを考えた時、絞って(議論を)行う必要がある」などとし、テーマの対象外にする意向を示した。