20年ぶりの大規模改修をすることになった札幌市時計台=札幌市中央区
札幌市時計台(中央区)が、来年度から「お色直し」をすることになった。本格的な改修は約20年ぶりで、外壁の塗装や屋根のふき替え、腐食した窓枠の取り換えなどをする。
時計台は1878(明治11)年、札幌農学校(現・北海道大)の入学式や卒業式などを行う演武場として誕生した。当初は時計塔がなく、授業の開始や終了を告げる小さな鐘楼だけだったが、黒田清隆・開拓長官の指示で時計塔設置が決まった。米国製の時計塔が大きすぎて造り直すハプニングがあったものの、1881年8月12日から札幌市民に時を告げている。
1970年に国の重要文化財に指定された。国内外から観光客が訪れるだけでなく、コンサートや映画などの貸しホールとしても使われており、開館日の利用率は100%近い。
市文化財課によると、大規模な改修工事は1995~98年、阪神大震災を受けて約4億円をかけて耐震補強工事をして以来。2017年度に設計し、翌18年度に数カ月程度休館して工事をする予定で、内部の補修や展示物のリニューアルも検討する。市文化財課の櫛引重一課長は「ご迷惑をかけるので、できるだけ早くみなさまにスケジュールをお示ししたい」としている。(日比野容子)