イベントで子どもたちがネジを使って作ったピンボール=今年8月、大阪市阿倍野区、エンジンズ提供
地味だけどモノづくりに欠かせない「ネジ」に光を当てようと、ネジ会社やゲーム会社、映画監督、絵本作家が手を組み、「虹色のネジ」という名のプロジェクトを始めた。モノづくりの楽しさや大切さを、あの手この手で子どもたちの心に訴えかける試みだ。
柱の一つは、子どもたちがネジに触れ、その構造を考えながらモノを作るワークショップだ。今夏から、親子でネジを使ったピンボールゲームやキーホルダーづくりなどを体験できるイベントを週末に開催している。
プロジェクトの中心メンバーの一人、ネジ卸商社「コノエ」(大阪府東大阪市)の河野裕社長(35)は「ネジの価値をきちんと評価してほしい」と願う。
規格品のネジは他社との差別化がしづらい上、安い海外製のネジも入ってきて価格競争が激しくなりやすい。日本の製造業の海外進出による需要の減少も懸念材料だ。
だが、ネジは見えないところで人の命を支える「なくてはならないもの」。ボルトが抜け落ち、天井崩落につながった2012年12月の中央自動車道笹子トンネル(山梨県)の事故などはまさにその例だ。将来、ネジ業界や製造業の担い手になってもらえるよう、若い人たちにもっとモノづくりに目を向けてほしい、と考えている。
もう一つの柱が、コンテンツ作…